皆さん、こんにちは。
私の名前は、宮原響。
私は今、何よりも
青春が欲しい。
周りには
リア充が多すぎる。
そんな気持ちを抱えながら
私は中学に上がった。
*・*・・・*・・・*・*
入学して、ある日突然
優しい男子と出会った。
彼の名前は、宝来真崎。
彼とは塾も同じで
帰りのルートが途中まで
一緒だった。
もともと異性との繋がりが
あまりない私でも
自然と馴染めて来て、
たまにしか帰れなかったが
楽しかった。
ある日、
一緒に帰る時、
彼の部活の
ある先輩さんの話になった。
「その人、私の小学校からの
先輩さんなの。
弟さんがいるんだけど
すっごく可愛いんだ~」
私が彼にそう伝えると
彼は笑って、
「じゃあ、その人と
結婚したらwww?」
と、いたずらっぽく
言ってきた。
「えっ! 嫌だよー。
私、結婚するなら
年上か同学年が良いもん」
私も笑う。
「そういえば、
好きな人いる?」
暇になったから
聞いてみた。
特に深い意味はない。
「いや、いない」
きっぱり言う彼。
「ですよね、
私もいないわ」
軽く腕を伸ばしながら
頷く。
*・*・・・*・・・*・*
ある日、
中学に上がってから
友達をやめた子、
神野彩が言ってきた。
「あのさ、真崎に媚びるの
やめてくれない?
キモいよww」
私は傷ついたし、
何よりも驚いた。
言葉に困った末に
出た言葉は、
「ごめん」
それだけだった。
そのうち、
塾でも学校でも話すうちに、
私の心に何か変だけど
新鮮な気持ちが湧いてきた。
「好き・・・・・・」
ふと独り言を呟く。
彼と出会う前までは
恋なんてしなかったし、
逆に二次元が好きで
妄想ばかりしていたから、
こんな気持ちは
慣れていなかった。
そう思ったのは少し肌寒い、
9月のシルバーウィークに入る前の
金曜日だった。
丁度、今日は塾がある。
ここ最近は
クラスが違うからか
彼に会うのが楽しみで
行っている気がする。
いや、かなりの高確率で
そうだと思う。
ドキドキしながら
終わった塾。
何人かの男子に
冷やかされながらも
今日も2人で帰る。
時間も時間なのか
暗い別れ道。
電車の音が消えて行った。
「それじゃあね」
私はいつもの様に
線路下の道に入ろうとした。
すると彼が
何かを思い出した様に
珍しく、
「あっ、ちょっと待って!」
と、言ってきた。
何かあったのだろうか?
「何? どうしたの?」
立ち止まって聞き返す。
「あのさ、恥ずかしい事
言ってもいい?」
私は更に
不思議になる。
何かと思った。
(あっ・・・。)
私はこの前、
好きな人の話をしたのを
思い出した。
きっと出来たのだろう。
めでたいな。
青春が来たのか。
私は勝手に
自己完結して頷いた。
「いいよ」
ただ、彼の話は
予想外の事だった。
「付き合ってくれない?」
「えっ!?」
私は動転した。
「冗談じゃなくて?」
彼は頷く。
嬉しい。
嬉しすぎる。
「・・・わ・・・私でもいいなら。
よろしくお願いします」
恥ずかしい中で
笑顔を作り、返事をする。
私にも青春が来た。
でも、ただの
彼氏&彼女ではない。
「秘密のカレカノ」
になった。
★皆には秘密。
★皆の前では友達としている。
この2つが
私と真崎君との約束。
帰ってから私は
幸せに包まれて眠った。
*・*・・・*・・・*・*
次の日、彼と同じ部活にいる
別の親友、蒼が
こっそりメールで
教えてくれた事がある。
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TO:響ちゃんへ(^_^)/
やっほー★
突然だけど大ニュース!
今日ね、あの彩が真崎君に告った!
そしたら、真崎君の答えと共に、驚愕の事実が
発覚したの(@_@;)
真崎君と彩の実際の話↓
「神野が俺の事好きなのは分かった。
でも、俺さ、友達の悪口言う奴は嫌だ」
「悪口?」
「あぁ。お前よく俺に言ったよな。
響の悪口を」
その情報を手に入れた時、びっくりしたよ!
で、結局凄い赤面しながら帰って行ったんだってw
だから、響ちゃんの恋ももう少しかもね★
応援してるよ(*^_^*)
☆蒼より☆
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人をいじめると天罰が下る事を
改めて学んだ。
この青春を大切にしよう。
絶対に。
約束しよう。
【END】