藤本りり、中1。
自分で言うのが
恥ずかしくないくらい美少女。
ハーフっていうのも、
ポイント高くない?
運動、勉強、オシャレだって
誰にも負けない!
おまけにお金持ちだしっ♪
でも、そんな完璧主義リリ様の
完璧ピースがひとつかけているっっ!
それはたったの1時間前・・・
リリ「ユウナ先輩、好きです?」
その後、すぐ後、
たった2秒後!
ユウナ「うん。ごめん」
え・・・?
私はその後30分、
ずっと立っていた。
嘘よ・・・
嘘にきまってるっっ!
私が振られるなんて、
ありえない。
ありえないーーーー!
今まで1回も、人生で1回も
振られたことのない、
このりり様がああぁぁ!
覚えてなさいよ、山中ゆうな!
絶対に振ったのを、
後悔させてやるんだからっっ!
・・・っと。
これくらいかな。
りり様の、失恋物語。
その後、私は、幼なじみのはなと
きょういちの手を引き、
うちに放り込んだ。
リリ「なんでよ!
なんで私が振られるのよーーーー!」
キョウイチ『面倒くさいところと、
女王様気取りのところじゃね?』
きょういちは、
ペンを鼻の下に挟みながら、
面倒くさそうに言う。
ハナ「でもでも、初めてじゃん♪
りりの、失恋物語♪
告られ話だけのうちらにとっちゃ、財宝☆」
キョウイチ「ぶっ」
きょういちが、吹き出す。
リリ「なんか言った?」
私が睨み気味にみると、
はなが、きまずそうに
きょういちをみる。
もうっ!
どいつもこいつも!
☆。・ 翌日 ・。☆
移動教室の際、
2年生のフロアを通ると、
ゆうな先輩と目があった。
お上品女子っぽく、
髪をさらっと風になびかせ、
得意げに、彼をみた。
・・・あれ? いない。
山中ゆうな!
信じらんないんだけどーー!
「面倒くさいところと、
女王様気取りのところじゃね?」
ふと、きょういちの言葉が
頭をよぎった。
あいつ!
でも・・・きょういち、
私のことを応援したくて
いってくれたんだろうなぁ。
キュンとした、心臓。
私の心は、私の気持ちを
知っていた。
ドン!
ハナ「やっとわかったか♪
りりは、ゆうな先輩に告る前から
ずーっと、きょういちのこと
思ってたんだよ?」
リリ「え?」
ハナ「わかってたんだしっ♪ ずーっと!
ちなみに、きょういちは、
それより前からりりのことを思ってたの。
きょういち、ゆうな先輩に告るって
りりが決断したとき、
すごい悲しそうな顔してたもん。
りりがゆうな先輩に振られたって聞いたとき、
きょういち、ゆうな先輩に殴りかかろうとしたんだよ。
それは私が止めたけど(笑)」
リリ「わっ私・・・いってくる」
ハナ「おう! Good luck!」
ハナ「私ってば男前☆
でも、失恋・・・しちゃった」
☆。・ きょういち宅 ・。☆
ピンポンピンポンピンポン
ピンポンピンポン。
キョウイチ「うるっせ!
絶対りりだろ!」
リリ「きょういち!
さっさと出てきなさいよっ!」
キョウイチ「へーへー、言われなくとも
出てくるつもりでござんした・・・」
ぎゅっ。
私は玄関から出てきたきょういちに
抱きついた。
リリ「好きだったんでしょ。私のこと。
付き合ってあげないこともないけど?」
キョウイチ「素直じゃないな。
でもまぁ、傷心中のりり様を、
なぐさめてやらんこともない(笑)」
リリ「素直じゃないのはどっちよっ」
私の完璧ピースは、
思わぬ形で埋まりました♪
☆END☆