私達は、小さい頃から
ずっと一緒にいた。
だからこそ
気づかないことも
あるんだね・・・
*・*・・・*・・・*・*
サラ「アスカ? 早く?!
バス行っちゃうよ?!」
アスカ「でも・・・
この靴新品だから
汚したくないよ・・・」
サラ「そんな事言ってる暇じゃ・・・
あ?!! バス行っちゃう!!」
アスカ「え!? あ!
走り出しちゃった!!」
2人「まっ待ってぇぇぇぇぇ!!!!」
サラ「間に合ってよかった。
もぉ。
靴なんてすぐ汚れるんだから
いいぢゃん!」
アスカ「そっ、そんな!
よくないよ!」
サラ「うぅー・・・
早起きってやっぱ辛い・・・
寝るから着いたら起こして・・・」
アスカ「え!? ちょ、ま・・・」
サ、サラ寝るの早っ!
あ!
自己紹介遅れたね!
私、川床アスカ!
絶賛恋中の
どこにでもいる中学生!
その恋の相手は・・・
学年1モテるって評判の
シュンヤ君。
優しいし
かっこ良すぎだし。
あ! それでサラとは
家が隣の、仲良し大親友☆
幼馴染みなんだ!
アナウンス「○○駅前~、○○駅前~」
アスカ「サ、サラ起きて!」
サラ「もう着いたの・・・?
まだ眠いのに・・・
ムニャムニャ」
この時、私は
何も知らなかった。
何も・・・
*・*・・・*・・・*・*
学校の休み時間、
サラがこんな話題を
出してきた。
サラ「ねぇ、日曜日
シュンヤ君の部活の大会が
あるらしいの!
アスカも一緒に行こうよ!」
シュンヤ・・・君?
嫌な予感がした。
アスカ「サラ・・・
もしかして・・・」
サラ「そう!
そのもしかしてなの!
私ね、シュンヤが好きなんだ」
サラが・・・
シュンヤ君のことを・・・?
アスカ「そ、そう・・・だったんだ・・・
応援・・・してるから・・・」
私はその時どうして
『私も』と言えなかったんだろう――
サラ「本当に!?
ありがとう、アスカ!
ウチ頑張るから!」
そんな嬉しそうな顔をしているから
『私も』・・・なんて
言えそうになかった・・・
*・*・・・*・・・*・*
それからというもの
サラは、シュンヤ君の話ばかり。
上手く笑えてるかは
分からないけど
笑顔でこの痛みと
こみ上げる気持ちを
押さえ込んでいた。
いつも通りサラと喋っていると
サラが突然・・・
サラ「私ね、シュンヤに
告白しようと思ってるの。
応援・・・してくれる?」
痛みと驚きが走る。
アスカ「そ、っか! 頑張ってね!
ウチずっと応援してるから」
いつもの笑顔で
気持ちをごまかす。
☆。・ 翌日 ・。☆
サラ「緊張するよ・・・」
アスカ「サラなら、大丈夫だよ。
告白されて嬉しくない人なんて
きっといないよ」
サラ「・・・アスカ
・・・ありがとね・・・」
アスカ「なにそれ笑
ヘンなサラ。
当たり前ぢゃん?」
サラ「うん・・・
あ、シュンヤ来た・・・」
私はサラの背中を
トンッと押した。
アスカ「行ってらっしゃい」
頑張れ。
私の大親友・・・
サヨナラ
私の初恋・・・
きっと次は
いい出会いを信じて・・・
☆。・ 数年後 ・。☆
カイト「あの・・・川床さん、
ちょっと、いい・・・?」
アスカ「は、ハイ・・・」
あれから数年後、
私は違う恋を始めて
今回は晴れて両思いになれた。
あの失恋があったからこそ
今の恋があるんだよね?
ありがとう、大親友。
ありがとう、初恋・・・
☆END☆