ミアだよ。
魔法学校8年生。
下界では
中2っていうのかな?
今日は特別な日。
そう、今日8月6日。
私、下界に行きます!
母「ミア?
準備できた?
もうしおりちゃんきたよー」
ミア「今いくー!」
お気に入りのバッグを背負い、
階段を降りる。
しおり「ミア!
おはよ。急いで!
間に合わないよ!」
しおりは、
幼馴染で大親友。
おっちょこちょいな私とは違い、
しっかり者でいつも頼っちゃう。
2人で外に出て、
ほうきにまたがり空を飛ぶ。
ここでは当たり前。
しゅんや先生「おーい!
泉口、秋田遅いぞー!」
ミア&しおり「すいませーん」
先生「全員集まったところで、
約束を3つ確認します。
1つ目――、
なにがあっても下界では魔法は使わない!
2つ目――、
2年は絶対ここに戻ってこない!
3つ目――、
下界の人間と恋はしない!
この3つをしっかり守るように。
いいな」
ミア「恋なんかしないでしょ。
下界の人間なんかに」
全員「行ってきまーす!」
それぞれ下界へ降りていく。
私、怖くて動けません(涙)
しおり「なーにやってんの?
ほら、行くよ!」
ミア「う、うん」
*・*・・・*・・・*・*
とーちゃくー!
ここが下界かー。
なんかうるさい。
耳が痛い。
これが最初の感想。
だいぶ歩いたけど
どこに行けばいいんだろう。
なんか暗くなってきたし、
お腹すいたし。
ぐう~。
お腹さんも
なんか食べたいって。
??「ねえ、君。
大丈夫?
顔色悪いよ?」
誰?
振り向くとそこには
イケメンが!
アオイ「あっ、僕アオイ。
すぐそこに僕の家があるから
寄って来なよ」
答えはもちろん、イエス!
しおりも一緒だし
いいよね。
ミア「お邪魔しまーす」
アオイ母「あら、
可愛い女の子が2人。
お友達かな?」
しおり「いえ、
そこでたまたたま会って」
アオイ母「そうだったの~。
まあ、ゆっくりしていってね」
それから何日何ヶ月と
お世話になって、
1年が経とうとした時
アオイに彼女がいることを知った。
この時、
胸がチクリと痛んだ。
なんかモヤモヤする。
これって、、、
病気!?
やだなー
下界に来て病気なんて。
アオイの彼女は
リンカっていう子。
前あったけど
可愛くてお似合い。
またチクリと胸が痛んだ。
*・*・・・*・・・*・*
それから数日後。
私がアオイに
アイスを買ってきてくれるよう
頼んだ。
雨が降っていて暗いから
途中までついていくことにした。
横断歩道で
赤信号が点滅し始めた時
アオイは私の手を握って、
アオイ「ほら早く行くぞ!
走れー!」
ドキドキする。
なんだろう。
突然手が離れ、
アオイが私を突き飛ばす。
目の前には大きな鉄の塊と、
その前で目をつぶる
アオイの姿が見えた。
とっさに、
ミア「時よ止まれ!」
と叫んでしまった。
眩しいぐらいの光が
私たちを包む。
しんと静まり返った横断歩道に
立ちすくみ、
少しずつ目を開けるアオイ。
アオイ「ミア?
これミアがやったの?」
おかしい。
失敗した。
本当なら全員止まるのに。
そんなことじゃなくて、
私、必死になって
魔法使っちゃった。
しおり「ミアー!
ミアー?
あ、いた!」
ミア「しおり、、、」
しおり「あんたバカじゃないの?!
約束破っちゃったじゃん!」
アオイ「ミア、
しおりこれは?」
ミア「違うの!」
アオイ「ミア、
僕を守ってくれたの?」
ミア「、、、うん。
とっさにやっちゃったの」
アオイ「ありがとう。ミア。
でも、どういうことか説明して」
しおり「悪いけど
そんな時間なさそう。
もうすぐ先生が来る」
しおりの言った通り
すぐ先生が来た。
先生「泉口、秋田。
これはどういうことだ。
約束1はなんだ?」
ミア&しおり「何があっても魔法は使わない」
先生「で、これは?
どっちがやったんだ?」
ミア「私です、、、」
アオイ「ミアは、
僕を守ってくれたんです」
先生が目を見開く。
先生「君は、、、」
アオイ「僕、今トラックに
轢かれそうになったんです。
でもミアが助けてくれたんです」
先生「しかし、下界で魔法を使ったら
強制的に魔法界へ戻る決まりがあるんだ」
アオイ「そんな」
ミア「しょうがないよ。
私が悪いんだもん」
体が宙に浮き
そらを飛ぶ。
久しぶりな感覚。
さよなら下界。
さよならアオイ。
*・*・・・*・・・*・*
気がつくと
懐かしい世界が。
魔法界についたようだ。
隣にはしおりと、、、、
アオイ!?
先生「一緒に
ついてきてしまったか、、、」
つまり、
時間が止まっているのに
アオイだけ動いていたから
魔法に巻き込まれてしまったようだ。
ミア「しおり! しおり!
見て! アオイも一緒だよ!」
しおり「本当だ、、、
てか、
何書いてんの?」
アオイ「内緒。
ミア助けてくれてありがとう。
あと、
だいきらい。
いつもうるさい。
スルメみたいなひょろひょろ
気分屋」
ミア「な、何よ!
せっかく助けてあげたのに!」
アオイ「違うよ。
縦読みだよ」
アオイがさっき
書いていた紙を見せる。
縦読みすると、、、
だ・い・す・き。
ウソッ!
嬉しい。
え?
私嬉しいの?
まさか、
アオイに恋してた?
あ、返事しなきゃ。
ミア
「だいこん!
いかつい顔!
スリムな体型!
キムタク!」
なんか意味わかんなくなって
最後のキムタクは思いつき。
ミア「先生!
ここは、下界ではないので
恋はしていいですよね?」
先生「ま、まあ認めよう」
ミア&アオイ「やったー!」
これからずーっと
ここでいようね。
リンカ「ちょっと私は?!?」
☆END☆