私、スズナ。
中学2年生。
金平糖が大好き。
頑張った時とか
落ち込んだ時とかに
食べるんだ。
* ――― * ――― *
今日は疲れた。
部活でミアと
ケンカしちゃった。
こういう時は
金平糖食べよっと。
スズナ「あ、これで最後」
最後の1粒、
ピンクの金平糖を食べた。
仲直りできるといいな。
* ――― * ――― *
どうして、
こうなったんだろう。
ミア「私、本当はスズナのこと、
嫌いだったんだ」
サラ「私もー」
アスカ「ぶりっ子だし、
正直、ウザいよね」
あれから、1週間。
ミアとは仲直りするどころか、
嫌われ、話すこともできない。
金平糖、ないのに。
?「スズナー」
スズナ「あ、ユウナ」
幼馴染みのユウナ。
結構、モテる。
ユウナ「なあ、今日、
6時に俺の家に来て」
スズナ「なんで?」
ユウナ「ナイショ」
何なの。
それに話しかけないでほしかったな。
アスカ「うわ、また、話しかけてた」
サラ「幼馴染みだからって」
ミア「本当、ひどい。
私が山中くんのこと
好きなの知ってて」
ほら、見られてる。
* ――― * ――― *
ユウナの家の前。
インターホンを押した。
ユウナ「あ、スズナ。待ってたよ」
手を引かれ、
ユウナの部屋に連れていかれた。
スズナ「なんでいるの?」
ユウナの部屋には
ミア達がいた。
ミア「山中くん、なんで、
スズナが来たの?
断ってって言ったのに」
ユウナ「俺はスズナしか、
誘ってないのに
お前らが来たいって来たんだろ。
文句言うなよ」
私しか、誘ってない。
その言葉になぜか安心した。
サラ「なんで、スズナだけ誘ったの?
しかも、家に」
アスカ「そうだよ。
家に誘わなくてもいいじゃん」
パァンッ。
突然、ユウナが
クラッカーを鳴らした。
ユウナ「好きな子の誕生日に
お祝いしちゃ、ダメ?」
ミア「え・・・
好きな子の誕生日・・・?」
ミアの誕生日はまだまだ、先。
私の誕生日は今日。
ユウナ「スズナ。
誕生日、おめでとう」
可愛いデザインの紙袋を
差し出された。
スズナ「ありがとうっ!
開けてもいい?」
ユウナ「もちろん」
中にはキラキラした
小さな星がたくさん入ったビン。
スズナ「金平糖! 可愛い!
ありがとう、ユウナ!」
キラキラの金平糖
みたいな恋が
私にもできるかな。
ううん。
もう、恋してるんだ。
☆END☆