― 3月16日 ―
明日は、卒業式・・・
私、杏奈は1年生!
私には、好きな人がいるの!
それは・・・
3年生の『楓翔』先輩!
サッカー部のエース。
入学式の時に、一目惚れしたの!
委員会が一緒で、
たまに話してたんだけど・・・
告白ができてない!!!
このまま、
2年生になるのは嫌だ!
明日こそ、告白しよう!
― 3月17日 ―
今日は、卒業式・・・
先輩が大人っぽく見える。
楓翔先輩は・・・?
いたっ!
楓翔先輩も大人っぽいな~。
何か、緊張する・・・
すると突然、後ろから叩かれた!
「誰?(まさか・・・?)」
振り向くと、後ろにいたのは
3年生の『香音』先輩!
香音先輩は、
同じ吹奏楽部だったの。
いつも明るい香音先輩。
香音先輩も大人っぽいな~。
「杏奈ちゃん、こんにちは!」
「こんにちは!」
可愛い・・・
こんなに可愛い香音先輩が
卒業しちゃうなんて・・・
って、今日は
楓翔先輩に告白するの!
「ごめんなさい、
友達と待ち合わせしてて・・・」
すると、香音先輩は・・・
「そっか、またね♪」
「はい!」
そういって、香音先輩と別れた。
告白できるかな・・・?
急に不安になった。
「杏奈~!」
誰かが私を呼んだ!
「誰?」
そこには、成美がいた。
「どうしたの?」
成美は泣きそうになっていた。
「楓翔先輩にフラレた・・・」
「えっ?」
楓翔先輩に告白したの!?
いつ?
「さっき、告白したの」
そういえばさっき、
楓翔先輩、呼ばれてたな・・・
それが成美!?
成美って、楓翔先輩のこと
好きだったの?
私は、何て言っていいのか
わからない・・・
すると成美が、
「死にそう・・・」
そう呟いた。
「死なないで!
私、生きていけない。
元気出して!」
やっと出た言葉がそれだった。
「ごめん、トイレ行ってくるね!」
そう言って駆け出した。
トイレに駆け込むと、涙が出てきた。
成美・・・
楓翔先輩が好きだったの?
訳がわからない・・・
それから、
10分ほどトイレにこもった。
そして、卒業式が始まった・・・
香音先輩、やっぱり可愛いな~。
楓翔先輩は、カッコいい!
卒業式は、無事に終了したのだった・・・
あぁ~
まだ告白できていない・・・
どうしよう。
でも、するって決めたからには、
しないと!
思いきって、楓翔先輩のところに
駆けていった。
* ――― * ――― *
「あの・・・」
声をかけられた!
すると先輩は・・・
「どうしたの?」
優しい!
「少し、お話が・・・」
すると先輩は・・・
「いいよ!」
そして、中庭に2人で行った・・・
「話って、なに?」
楓翔先輩が聞いてきてくれた!
「あの・・・私・・・」
「・・・?」
ここまで来たら、言うしかない!
「私、先輩のこと・・・」
すると・・・
「ちょっと待って、
俺も言いたいことがある!」
えっ?
「俺、杏奈のことが・・・」
・・・?
「好きです」
えっ?
今、告白された!?
「・・・・・」
「・・・・・」
「え~!」
告白された!
「俺、入学式で見たときに、
一目惚れして・・・」
私と同じだ・・・
「僕の彼女になってくれる?」
「・・・・・」
驚きで声が出ない・・・
すると、楓翔先輩が、
「もしかして、
杏奈が言いたかったことって・・・」
「私も好き!」
「・・・・・」
言えた!
「本当に!?」
「本当だよ!」
「じゃあ、俺の彼女になってくれる?」
「もちろん!」
こうして私達は、
付き合うことになった・・・
実は、楓翔先輩はこの春、
引っ越しする予定だったらしい・・・
気持ち伝えて良かった!
あのあと、楓翔先輩に・・・
「さよならの前に・・・知ってる?」
AAAさんの曲だ!
「知ってるよ!」
「俺、あの曲好きなんだ!」
そうなんだ!
「だから、さよならの前に、
告白したかった!」
嬉しい!
「ありがとう!」
私達は、1年・5年・10年・20年と
続いていけるかな・・・?
きっといけるよね♪
みんなも『さよならの前に』伝えよう!
*END*