私がまだ小さい頃――
幼なじみに恋をした。
ずっと一緒だった、
ずっと見てきた彼に。
彼がいない世界なんて、
想像できなかった
*。*。*。*。*。*。*。*。
カヤ「で、相手はシュンヤくん」
マホ「うん」
カヤ「で?
どこ行っちゃったの?」
実は――
「ごめん、オレ――」
小4のとき、
彼はどこかへ行ってしまった。
マホ「ショックすぎて、
聞き取れなかったんだ」
カヤ「そっか」
マホ「確か外国行くって言ってたかな・・・」
ずっと一緒で、
恋をして、恋が終わった。
マホ「いなくなって変わったもん、
私の人生」
カヤ「やり直してるってこと?」
マホ「うん」
今は――
カヤ「で!
ハルキとはどーなの」
マホ「片思いなだけだよ///」
部活が同じで同級生の
ハルキくんに片思い中。
カヤ「シュンヤくんのことは
もう好きじゃないの?」
マホ「好きかもしれないけど・・・
いないし」
カヤ「ま、ハルキもカッコイイもんね」
今も好きかとか分かんない。
小4だったし、
ホントに好きだったのかも分かんないし。
カヤ「ねー、どんなコだったの、
シュンヤくんは」
マホ「サッカー好きで
その頃から背が高かった」
マホ「あとは優しくて、
ちょっとシャイ」
マホ「私は小さかったから
よくチビって言われてたなー」
カヤ「へー、会ってみたいなー」
*。*。*。*。*。*。*。*。
その日の部活――
マホ「ハルキくん」
ハルキ「ん?」
マホ「ハルキくんは
なんで美術部に入ったの?」
ハルキ「なんでって?」
マホ「運動トクイだって聞いたから」
ハルキ「絵描くのも好きだから」
マホ「そうなんだ」
意外な一面発見!
ハルキ「あっ!
カヤから聞いた?」
マホ「何を?」
ハルキ「あー、聞いてない?」
ハルキ「今度みんなで出かけようって」
マホ「え!?」
*。・ 休憩中 ・。*
マホ「聞いてないんだけど!?」
カヤ「ごめんごめん」
カヤ「ハルキがどーしても
行きたいところあるから、
ハルキと私とマホとあと友達連れて行こうって」
マホ「え!? じゃあ
1日一緒ってこと!?」
カヤ「うん。
近づけるんだからいいじゃん」
マホ「う、うん・・・」
*。*。*。*。*。*。*。*。
そして当日――
ハルキ「カヤ! マホちゃん!」
カヤ「早くない?」
ハルキ「いーだろーが。
てか、そっちもな」
カヤ「うるさい」
となりにいるの・・・
友達さんかな?
なーんか見たことある。
ハルキ「あ、コイツ友達」
シュンヤ「金子シュンヤです」
え!?
カヤ「例のシュンヤくん!?」
シュンヤ「え、知ってますか?」
カヤ「えっと・・・
あ! コレ、マホ!」
シュンヤ「マホ・・・え、マホ!?」
ハルキ「え、どうなってんの?」
カヤ「いーから2人にしてあげてー」
*。*。*。*。*。*。*。*。
マホ「外国行ったんじゃなかったの」
シュンヤ「去年帰ってきたんだよ」
マホ「またデカくなったね」
シュンヤ「お前は相変わらずチビ」
マホ「はぁー!?」
シュンヤ「ほーれ、ココタッチしてみー」
マホ「あー!!」
*。*。*。*。*。*。*。*。
その頃――
カヤ「マホとシュンヤくんは、
元幼なじみ」
カヤ「マホは好きだったんだけど、
引越しちゃったって」
ハルキ「オレは去年、学園祭で知り合って」
カヤ「久しぶりなんだから、
2人っきりにしてあげよ」
ハルキ「じゃ、オレらも2人っきりか」
カヤ「/// 変なコトしないでよ」
ハルキ「しねーわ///」
*。*。*。*。*。*。*。*。
カヤ「お昼ご飯食べよっか」
マホ「うん」
。。。。。。。。。。
ハルキ「カヤ、それ取って」
カヤ「どれ」
ハルキ「それ、それだって」
シュンヤ「なぁ、マホ」
シュンヤ「あの2人、付き合ってる?」
マホ「ううん」
シュンヤ「付き合えばいいのにな」
マホ「確かに」
カヤ「何? ニヤニヤして」
マホ「いやー、お似合いだなーって。ね」
シュンヤ「うん」
ハルキ「そんなんじゃねーわ///」
シュンヤ「照れてる」
カヤ「じゃ、あとは、それぞれで」
シュンヤ「うん」
*。*。*。*。*。*。*。*。
シュンヤ「おい。こっち歩け」
マホ「うん、ありがと」
シュンヤ「それ、持つわ」
マホ「えっ、うん」
優しいところは変わってない。
ドキドキする。
やっぱりまだ好きなんだ。
マホ「あのさ・・・
今好きなコいる?」
シュンヤ「いるよ」
マホ「だよね・・・」
やっぱ長く離れてた溝がある。
他校だし。
もしかしたら行ってた外国にいるのかも。
マホ「あのね・・・私・・・」
言えない。
振られるのが怖い。
あー・・・小4のとき
言っとけばよかった・・・
マホ「あっ、どこの学校行ってるの?」
シュンヤ「となりのニコラ中」
シュンヤ「てかさ・・・」
シュンヤ「オレ、好きなんだけど」
マホ「え? 何が?」
シュンヤ「マホが」
マホ「えっ!?」
シュンヤ「自分で言おうとしたくせになんだよ」
マホ「だって・・・
私の片思いだと思ってたから・・・」
シュンヤ「外国にいても、離れてても好きだった。
おっちょこいなとことか、
強気だけどちょっと内気なとことか、
オレが1番マホを理解してるから。
他校とかどうでもいい。
ずっと一緒にいてください」
マホ「うん!」
*。*。*。*。*。*。*。*。
2年後――
「カシャッ」
マホ「こっちこっちー」
カヤ「うわー!
ちょっとハルキ、シュンヤー!」
ハルキ「きれいだなー」
カヤ「それ、私のこと?」
シュンヤ「攻めるねーカヤ」
私たちwカップルは
2年後も一緒に――
いつまでも一緒に――
過去の伝えられなかった想い
今までの溝とかお互いの壁
でも、そんなのどうでもいいって
言ってくれた。
ありがとう。
もう離れないから。
*END*