はじめて、キミに会った日。
あたしの世界は変わった――
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆
やっほー!
あたし、多田ナルミです!
ニコ学中等部2年生♪
華のJCっつーことで、
毎日Enjoyしてるよ☆
?「おっはー、ナルミ!」
ナルミ「おっはー、ノノ!」
このコは、親友のノノ!
クラスでは、なるののってよばれてるヨ。
ノノ「それにしても、
クラス離れなくてよかったね~」
ナルミ「ホントそうだね!
先生にもいいとこあんじゃん♪」
?「ね~。オレも一緒?」
??「オレもオレも~。一緒☆」
うぐっ・・・
ナルミ「シュンヤ?」
ノノ「カイト?」
シュンヤ「よーっす、なるのの。
朝から元気よのう」
カイト「ホントホント。ガキですねぇ」
ナルミ「シュンヤじじぃ、カイトじじぃとちがって、
元気なほうが健康的よ」
ノノ「うんうん。
あっ、おじいちゃん大丈夫?
老人ホーム行こうか」
シュンヤ・カイト「うるせー」
なるのの「アハハ」
とまぁこんなかんじ。
あたしたち4人はイツメン。
だったけど・・・
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆
ナルミ「およ? あれはノノかな?」
近づいてみよー・・・っと。
ノノ「・・・っでね・・・
うん・・・まじで!?」
誰と一緒なのかな?
・・・・・・それが誰なのかわかった瞬間、
あたしは2人に気づかれないように走っていた。
バレたけど。
だって、シュンヤと
一緒にいたんだもん。
実は、あたしは
シュンヤのことが好き。
そのことは、ノノにだけは
話していた。
「応援するよ」
って言ってくれたのに。
どうしてそんな目で
シュンヤを見るの?
ノノは恋する女の子の目をしてた。
その日を境に、あたしはノノと
口をきかなくなった。
朝会って、
ノノに話しかけられても逃げた。
シュンヤの前でも、
嫌われてしまうかもと思っていても、逃げた。
シュンヤとも、まともに話すと
泣いてしまいそうで、
追いかけられようが関係なく、逃げた。
こうしてあたしは、
大好きな2人とのなかに、
深い溝を作ってしまった。
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆
ノノとシュンヤと
口をきかなくなってから
1ヵ月くらいたった頃、
2人が付き合っているという噂が
広まった。
ショックだったけど、
あたしとはもう関係ない。
そう思って過ごしていた。
それから2週間後、あたしは、
2人がキスしているのを見てしまった。
関係ない。
そう思っていたのに。
あたしはその場から走り去った。
家に着いて、自分の部屋に入った瞬間、
泣いた。
泣いて泣いて泣き崩れた。
きっと、どこかで
期待していたんだと思う。
2人が付き合っている。
それはただの噂だって。
けれど今日、
決定的瞬間を見てしまった。
あたしは終わったんだ。
噂なんかじゃなく、
2人は付き合っていたんだ。
あたしは、
学校を休むようになった。
今まで気後れしていて
できなかったノノのLINE。
ブロックして、削除した。
一緒に、シュンヤのLINEも削除した。
辛かった。
けど、こうしないともっと辛かった。
唯一残ったカイトのLINEを、
久しぶりに開いた。
・・・なんだこれは。
見てない間に50件以上来ていた。
《大丈夫か?》
《なんかあった?》
《早く来いよ~》
涙が出てきた。
あたしのことを、
こんなに心配していてくれたの?
ドキン。
・・・ドキン。
前も、こうしてカイトが
助けてくれたよね。
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小2の夏。
男子にいじめられていたあたしを、
カイトが助けてくれた。
それ以降、男子たちは
いじめて来なくなった。
カイト「おまえが泣いてたら、
1番におまえに会いに行く」
ナルミ「うん! ありがとう」
ノノとシュンヤには言ってなかったけど、
あたしとカイトは幼なじみだった。
1番、頼りにしてたのは、カイトだった。
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆
ナルミ《会いたい》
気づけばカイトにLINEしていた。
けど、ホントに会いたかった。
ピロン♪
カイト《家? 今すぐ行く》
・・・カイト。
カイトばっか頼ってごめん。
でも、いまのあたしには
カイトしかいなかった。
*。・ カイトside ・。*
ナルミからLINEがあった。
きっとこれは、ナルミからのSOSだ。
オレが行かなくて誰が行く?
*。・ ナルミside ・。*
あることに気がついた。
授業時間じゃん・・・
まだ3時間目くらい・・・?
今すぐ行くって言ってたけど、
さすがに授業さぼれないし・・・
・・・・・・・・・迷惑、だよね・・・
起きてても
なにもする気にならない。
でも、不安で眠れない。
あたしは部屋の隅にうずくまった。
ナルミ「カイト・・・・・・」
カイト「ナルミ?」
ナルミ「カイト!?
どうして・・・授業は!?」
カイト「ナルミが泣いてるかもしれないのに、
授業なんか受けてられるかっての!!」
ナルミ「カイト・・・・・・ありがとう」
カイト「なんかあった?」
ナルミ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
カイト「・・・・・・辛かったら
無理に話さなくていいよ」
ナルミ「・・・あのね。
あたし、シュンヤのこと、
好きだったんだ・・・
そのこと、ノノには話してたの。
でも、シュンヤとノノが一緒に登校しているの見て。
ノノの顔が、恋する女の子の顔だった。
しばらくして、2人が付き合っているって噂が
あったでしょ? 嘘だって思ってたの。
でも、2人がキスしてるの、見ちゃって・・・
それ以降、学校に行くのも辛くなっちゃって。
祝福してあげることも、できなかった・・・」
カイト「んなの、あたりまえじゃん」
ナルミ「え?」
カイト「好きなヤツが親友と仲いい、とか、
付き合ってる、とか、辛くなってあたりまえ。
オレもそう。毎日、部屋で暴れてた」
ナルミ「あ、あば・・・?」
カイト「無理しなくていいんだよ、ナルミ」
ナルミ「・・・・・・・・・!!」
ああ、忘れてた。
人に甘えるのを忘れてた。
「頑張りすぎないで」
何度も言われた。
あたし、
抱え込み過ぎてたのかな。
もっと、
人に頼っていいのかな。
小さい頃、親が事故で亡くなり、
中学生になった頃、
育ててくれたおばあちゃんも亡くなった。
自分で頑張らなきゃって思ってた。
親戚のおばさんに、
一緒に暮らすか聞かれたけど、
迷惑かけたくなくて、1人で暮らすといった。
お金だけは送ってもらって、
家事を全部1人でこなした。
いつも、カイトがそばにいてくれた。
両親が亡くなった日。
カイトに出会った。
あの日からずっと、
あたしのいちばんは、きっと・・・・・・
カイトだったんだ。
カイト「オレがずっと、
ナルミのそばにいるよ」
変わらない、カイトの存在が、
あたしを支えてくれた・・・
カイト「ナルミ?」
伝えたい。
ナルミ「好き・・・」
カイト「え?」
ナルミ「あたし、カイトが好き・・・」
カイト「シュンヤじゃ、ないの?」
ナルミ「・・・違う。
あたし、気づいてなかった。
あたしのいちばんは、カイトしかいない」
カイト「ナルミ、ありがとう。
オレのいちばんは、ずっとナルミだけだよ?」
ナルミ「・・・カイトっ?」
ありがとう。
ナルミ「大好きっ」
Kiss kiss kiss。
カイト「? ナルミ・・・」
ナルミ「ヤだった・・・?」
カイト「うん」
ナルミ「? ごめん・・・」
カイト「こーゆうのはオレからさせて?」
Kiss kiss kiss。
Kiss kiss kiss。
ナルミ「? カ、カイト・・・///」
カイト「あのさ」
ナルミ「なに?」
カイト「オレの彼女になってください」
ナルミ「・・・もちろん」
カイト「学校は、
これから慣れていこうな!」
ナルミ「うぐっ・・・うん・・・・・・」
カイト「だぁいじょうぶだって。
オレがいるから」
ナルミ「うん」
カイト、ありがとう。
カイトのおかげで、
あたし、また歩けるよ。
キミだけは、失いたくない。
あたしの世界に
光を入れてくれてありがとう。
永遠に、キミだけを
愛することを誓います。
~~・☆end☆・~~