ずっと一緒に、
いられると思っていたのに。
別れは突然やって来た・・・
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こんにちは~。咲綺です。
?「咲綺、おはよう。
相変わらず眠そうだな」
声を掛けてくれたのは、
お隣に住んでいる幼馴染の夕葵センパイ。
昔から一緒で、兄みたいな存在。
咲綺「おはようございます。
朝から元気ですね」
夕葵「サッカー部の練習があるからな。
お前もマネージャーなんだから頑張れよ」
咲綺「マネージャーになったの、
2か月前だから、まだ慣れないです」
夕葵「まぁそうか。
お前中学の時、遅刻ギリギリで登校してたから、
朝早いのは慣れないのか」
咲綺「一言多いです。
当たってますけど」
そんな感じの楽しい毎日が続いていた。
私はいつの間にか
センパイのことが好きになっていた。
そんなある日の事だった。
咲綺「行ってきまーす」
いつも私と同じくらいに
登校しているセンパイがいない。
どうしたんだろう。
杏奈「咲綺、おはよう」
杏奈は私と同じマネージャーだ。
咲綺「おはよう」
杏奈「今日は夕葵センパイと
一緒じゃないんだ。めずらしい」
咲綺「うん、センパイいなかったから。
先行って自主練してるんじゃない?」
杏奈「かもね。そうそう、
昨日咲綺の家の近くでなんかあったの?」
咲綺「たぶん何もない。なんで?」
杏奈「昨日の夜中、咲綺の家の方で
誰かが救急車で運ばれたみたいだよ。
お父さんが見たって」
咲綺「へ~。何だろう、わかんないな」
杏奈「ならいいや。
朝練の準備しよう」
結局センパイは、
朝練にも放課後の部活にも来なかった。
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咲綺「ただいま~」
母「おかえりー。楽しかった?」
咲綺「うん。
でも、夕葵センパイ来なかった・・・」
母「実はね、夕葵くん入院したみたいなの。
昨日の夜中に倒れて運ばれたって」
咲綺「うそでしょ、
杏奈が言ってた救急車って
センパイの家だったんだ」
母「けっこう前から病気の治療してたみたい。
病気の体でサッカーをしていたみたいだから、
スゴイよね」
私は次の日、学校を休んだ。
現実がまだ信じられなかった。
休んだ日から
3日たったある日。
母「咲綺、夕葵くんのお母さんが
夕葵くんが咲綺に会いたがってるから
病院まで会いに来てほしいって」
咲綺「・・・・」
母「学校行かないなら、行ってあげたら?」
咲綺「うん」
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数時間後、私は病院にいた。
このドアを開ければセンパイがいる。
咲綺「こんにちは。咲綺です」
夕葵「咲綺、来てくれたの?」
咲綺「はい・・・」
やせた先輩の姿が
そこにはあった。
咲綺「あっ・・・
体、大丈夫ですか?」
夕葵「心配してくれたの?
ありがとう」
咲綺「サッカー部の方は大丈夫です。
みんなセンパイがいなくても
頑張ってますから」
夕葵「そう、良かった」
咲綺「私、そろそろ帰ります。
あのっ・・・」
いきなりセンパイに
抱き締められた。
咲綺「えっ、あの、どうして・・・」
夕葵「ゴメンつい。じゃぁね」
咲綺「はい、また」
びっくりした。
どうして私のこと抱き締めたんだろう。
センパイじゃないみたい。
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それから2年間が経って
私は3年生になった。
部活が終わってから
毎日センパイの所に行って
その日にあった事やサッカー部の話をした。
センパイは痩せていき、
余命が残りわずかだという事が分かった。
部活が終わったあと病院に向かい
病室に行こうすると、
いつもと様子が違っていた。
嫌な予感がして
自然と速足になった。
行ってみると、沢山の看護師さんが
出入りしていた。
咲綺「えっ、何。どうしたの」
看護師さん「家族の方ですか」
咲綺「いや、ちがいます。
でもどうしたんですか」
?「咲綺ちゃん」
咲綺「センパイのお母さん。
センパイはどうしたんですか」
夕葵ママ「それが分からなくて。
いきなり呼び出されたから」
看護師さん「お母様ですか。
夕葵君の容体が変わって、ほぼ息もしてなくて」
私はすぐに病室に飛び込んだ。
咲綺「センパイ、夕葵センパイ
しっかりしてください。
まだサッカーで全国行ってないじゃないですか」
すると、少し目を開けて。
夕葵「咲綺、今までありがとう。
大好きだよ」
そう言って永遠の眠りついた。
みんな泣いていた。
しばらくしてから
私に向けての手紙が
センパイの部屋から見つかった。
その手紙がこれだ。
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咲綺へ
今までありがとう。
咲綺と一緒に居られて本当に幸せだったし、楽しかった。
これからもいつまでも大好きだよ。
夕葵より
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突然の別れだったけど、
またどこかで会える。
そう信じよう。
最後にセンパイ、大好きです。
*END*