俺の名前は中島凱斗。
そしてこいつは・・・
「きゃー!
かっこよすぎる!!」
黒坂莉那。
俺の幼なじみ。
俺の好きな人でもある。
でも残念ながら
莉那の目線の先に
俺はいない。
莉那は1か月前に
俺のクラスに来た。
教育実習生の
山中夕葵に夢中だ。
凱「ほら、もう帰るぞ」
莉「あー!
おいてかないでよー!」
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莉「山中先生って
本当に格好いいよね~!」
凱「そうかな。
男の俺にはわかんないや」
莉「えーー?」
凱「本当に夢中なんだな」
莉「うん。
でも今週で
終わりなんだよね・・・」
凱「そういえば
そうだったな」
莉「・・・決めた!
私、最終日に告白する!」
凱「え? 本気で?」
莉「うん」
凱「俺は賛成できない」
莉「なんで!?」
凱「なんでも。
もう家ついたし、じゃあね」
莉「ちょっと。凱斗~!!」
*.*.*.*.*.*.*.*.*
凱「本当に
告白する気なのかよ・・・」
俺は小学生の時から
ずっと莉那を見てきた。
幼なじみなんだから
いつかは結ばれる。
・・・なんて思ってきたけど
そうじゃなかったんだ。
凱「でも・・・
俺は莉那が大切だから、
莉那には幸せになってほしい。
明日ちゃんと謝って
応援するって言おう」
*.*.*.*.*.*.*.*.*
凱「おまたせ」
莉「か、凱斗・・・」
凱「昨日はごめん。
やっぱり俺、莉那を応援する」
莉「凱斗!
ありがとう!
私、頑張る!」
これで良いんだ。
これで・・・
*.*.*.*.*.*.*.*.*
そして最終日。
莉「いってくるね・・・」
凱「おう。頑張れよ」
モヤっ。
莉(あれっなんだろう。
このモヤっとした気持ち・・・)
凱「どうした?
行かないのか?」
莉「う、ううん!
いくね!」
*.*.*.*.*.*.*.*.*
莉「山中先生!」
夕「おう。黒坂。なんだ?」
莉「あの・・・」
モヤっ。
莉(あれ、まただ)
莉(何で凱斗がでてくるの?)
莉「・・・・・」
夕「黒坂?」
莉「・・・あっ、あの!」
莉「やっぱり何でもないです!
失礼します!」
*.*.*.*.*.*.*.*.*
凱(莉那どうだったかな・・・
莉那が笑顔で戻ってきたら
ちゃんとおめでとうって言おう)
ガラッ。
莉「凱斗!」
凱「あぁ、莉那、
どうだっ・・・莉那?」
そこには
涙を流した莉那がいた。
莉「・・・なの」
凱「え?」
莉「すきなのっ!」
凱「山中先生に
言えなかったのか?」
莉「凱斗が!」
凱「え?」
莉「山中先生に
告白しようとしたとき、
モヤモヤした。
この気持ちの正体は、
凱斗が好きって
気持ちだったの!」
凱「・・・・・」
莉「私、凱斗がすきっ・・・
だから、だから・・・」
凱「はぁ~~~。
まったく・・・」
莉「凱・・・斗?」
凱「どんだけ待ったと
思ってるんだよ」
莉「え?」
凱「おまえが好きだ」
*.*.*.*.*.*.*.*.*
俺の名前は中島凱斗。
そしてこいつは・・・
莉「いってらっしゃい!」
中島莉那。
俺の嫁。
そして、
俺の愛している人だ。
*END*