「ねえ~聞いたぁ?
ユイトって、
ヒビキのことが
好きなんだってぇ~!」
え、嘘・・・!
よりによって、
何でヒビキなの・・・
私は聞いてた音楽を止め、
ヘッドホンをとった。
好きな人の好きな人が、
親友だなんて・・・
「マジ?
ヒビキ、
好きな人いんじゃん。
あくけいすけって人」
しかも、好きな人は
好きな人を
好きじゃないなんて・・・
これは、
私と、
私の好きな人と、
私の好きな人の
好きな人の話。
* ――― * ――― *
こんにちは、
泉口美愛です。
休み時間は
1人で音楽を聴く、
ぼっちと言うヤツです。
そんな私にも、
親友と好きな人がいます。
宮原ヒビキ
小原ユイト
ヒビキは、
ぼっちの私とも
仲良くしてくれる、
唯一の友達。
しかも人気者で
かわいい。
だから、ユイト君が
好きになっても
おかしくない。
だけど・・・
苦しいのはなんで・・・
「はぁ・・・」
「ミアー
帰ろー?」
「あ、うん。
ちょっと待って」
「うわー。
やっぱりかわいいね、
宮原さん」
「ユイト君が
好きになるのも
分かるよね」
・・・!
「ミア、
大丈夫?」
「う、うん。大丈夫!
行こっヒビキ」
「ね、ヒビキ」
「んーー?」
「ヒビキって、
ユイト君
どう思う?」
「ゆいとくん?」
「まさか、
知らないの?
小原ユイト君」
「ゴメン、
私ケイスケ以外
興味なくて・・・
もちろんミアも好きよ?
大好き!
愛してる~」
「私は別に~・・・
なーんてね、
私も愛してるぅ~」
よかった。
ヒビキはユイト君
興味ないんだ。
それなら、
ユイト君は
どうなるんだろ。
「じゃーね、
愛しのミアよ!」
「じゃーね、
愛しのヒビキよ!」
私の恋、
bad endに
ならないといいけど・・・
*。・ ヒビキ ・。*
今日もケイスケ、
かっこよかったな~!
しかも進展あったし♪
ミアに報告しなきゃだ~!
「はぁ・・・」
あれ?
ご機嫌ナナメ?
また言うか、
いつでも言えるし・・・
「ヒビキって、
ユイト君どう思う?」
ゆいとくん・・・?
誰?
「ゆいとくん?」
「まさか、
知らないの?
小原ユイト君」
ということで、
謎の人物、
オバラユイトを知った。
・・・誰?
*。・ line ・。*
《ねー
しおりんごー》
《んーーーー?》
《オバラユイトって
知ってるー?》
《ああ、
3年1組の子だよ》
《ヒビキラブの子、
知らんの?》
《知らん。
ミアが今日いきなり
ヒビキ、ユイト君どう思う?
って》
《ヒビキラブだから
じゃない?》
《でも、
何でミア?》
《その1、ユイトが好き
その2、ヒビキをとられたくない
のどっちかじゃない?》
《ありがと卍》
《どういたまして卍》
あ、卍は意味なく
使ってる笑笑
ユイト君って人、
私が好きなの?
で、ミアは
その子が好き。
だからミア
あんなこと聞いたんだ。
やっぱしおりんごは
役に立つね。
何てたって、
うちの情報通だし。
*。・ 翌日 ・。*
「ミア!
おはよ!」
「ヒビキ、おはよ!」
「ミア、
オバラユイトって子、
好きなの?」
「うん」
「そうか、
応援するねーー!」
ヒビキは全力で
応援してくれた。
* ――― * ――― *
そして数ヵ月後。
「ユイト君、
好きです!」
チラッ。
(ヒビキが応援してるんだな。
OKするか)
「僕も・・・」
何か、
OKしてもらったのに
嬉しくない。
「やっぱり
取り消し!」
「「は?」」
「ユイト君、
ヒビキのこと
考えてるもん。
ちゃんと私を
好きになってもらって、
ちゃんと振り向かせて
付き合いたい」
覚悟しといて、
ユイト君。
すぐに振り向かせて
やるんだから!
*happy end*