私、秋田汐梨。
もうすぐ華の女子高生!
今は春休み中だけど
楽しみで仕方ないんだぁ!
今から話すのは、
私の酸っぱい恋物語。
そう・・・
あれは確か
中学校に入った時から
始まっていたのだと思う・・・
*。・ 中学1年 春 ・。*
?「しっおりぃ~☆!」
汐「美愛!
同じクラスだね!
よろしくっ!」
美「ホント、
誰も知らないクラスだと
思ったら
汐梨が一緒で
ラッキーだったよ~!」
この子は泉口美愛。
幼稚園からの幼なじみで、
1番の親友。
昔から剣道をやってて、
細くて可愛いくせに
区の女子では1位を
とったことのある程の実力者。
ホント尊敬しちゃうんだぁ!
美「そう言えば汐梨、
何部入る?
私は今日剣道部
見学しに行くけど
一緒にどお?」
汐「ええぇっ!?
剣道部って
なんか怖そう・・・(泣)」
美「大丈夫!
ココのニコラ学園中は
ゆるいけど強い!
って有名なんだよ~」
汐「そうなんだ・・・
じゃあ行ってみようかなー・・・!」
美「そう来なくっちゃ!」
そう。
これが私が剣道部に
入ったきっかけ。
そしてこの剣道部で
思いもよらないような
出来事が起こったんだ・・・
*.*.*.*.*.*.*.*.*
我が剣道部にいる
ニコラ学園中1の
やんちゃボーイ、
「小原唯和」。
その名は他の学校まで
知れ渡っているほど。
この人は私の1こ上の
先輩で一応部長。
?「あーきーた・・・
これなんて
読むんだ?(下の名前)」
美「汐梨!
小原先輩、
きっと汐梨のこと
呼んでるよ!?(ヒソッ)」
汐「ええぇっ!
無理無理無理!
知らないふりしよー・・・」
唯「あ、わかった。
"しおり"だな。
おい!
あきたしおり!
あーきぃーたぁー
しぃーおーりぃー!!!
いるんだろ!?」
ひぃぃい!
やっぱり私のこと
だったんだ!!(恐)(泣)
汐「は、は、は、
はぃ・・・
ここです・・・」
唯「あんた、
部活サボってるだろ。
ッざけんなっっ」
美&汐「ええっ!?」
美「小原先輩!
それ、汐梨じゃないですッ!
他の子です!
汐梨はちゃんと
真面目に・・・!」
唯「っっマジかよ!
わりぃ!
ホント、ゴメンな。
汐梨」
汐「い、いえ!
大丈夫です!」
・・・小原・・・先輩って
本当はすごく
優しいんだな・・・
だけど、名前
「汐梨」って・・・
そんな風に男の人に
呼ばれたの
初めてだよ・・・
*.*.*.*.*.*.*.*.*
これが小原先輩との
出会い。
この時は「本当は優しい」
って分かって、
偏見をもつことは
間違ったことだって
思ったんだ。
それから1年が経ち・・・
私達は剣道の大会で
徐々にレベルを
磨きあげていった。
*。・ 中学2年 夏 ・。*
先生「・・・えー
次の大会のメンバーを
発表します。
女子、秋田・・・」
先生「・・・そして、
女子大将は泉口。
頑張ってな」
美「ハイっ!」
先生「次ー、男子。
○○・○○・・・」
先生「・・・男子大将は小原。
頑張ってくれよ」
唯「はい」
*.*.*.*.*.*.*.*.*
美「やっぱり小原先輩が大将だよね!
・・・1年でやんちゃもおさまって
より強くなったというか・・・
私、この3年生引退試合が終わったら
小原先輩に告白する」
汐「えっ」
美「え、何?」
汐「いや。
美愛、小原先輩のこと
好きだったんだね!
頑張ってね!
私応援してる!!」
美「汐梨・・・
ありがとう!」
*。・ 美愛目線 ・。*
なんだろう・・・
汐梨、なんか自然と
苦笑いになってたような気がする。
気のせいかな。
まさか・・・
*。・ 汐梨目線 ・。*
私はその後
いつものように
家に帰った。
そうだ!
美愛に応援メッセージでも
書こうかなっ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大好きな美愛へ
美愛、美愛はいつも一生懸命で
自慢の親友だよ。
そんな美愛が告白するって言った時
私は本当にうれ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれ・・・
このあとはなんて
書くんだっけ。
そうだよ。
早く書いてよ私。
書きなって私・・・
なんで、なんで、
なんで書けないの私・・・
気づいたら
美愛への手紙は
私の涙でぐしゃぐしゃだった。
「そうか・・・
私、小原先輩に
恋してる・・・」
そう自分で気づいた時は
怖くて仕方がなかった。
美愛に申し訳なくて・・・
もう美愛とも
小原先輩とも
一緒に笑えなくなるって・・・
それから私は
3日も学校を休んだ。
部活も休んだ。
*。・ ピーンポーン♪ ・。*
汐母「はーい!」
?&?「こんにちは。
汐梨、いますか?」
汐母「あら、
美愛ちゃんと・・・
小原君?」
―コンコン♪―
美&唯「汐梨・・・?」
汐「来ないで!!」
美&唯「えっ・・・」
汐「話したら・・・
みんな、私が嫌いにな・・・」
美「そんなことない!」
汐「・・・(泣)
・・・なんで、
小原先輩まで・・・?」
唯「泉口に言われてさ」
*。・ 今日 放課後 ・。*
美「小原先輩!
好き!
・・・で、した」
唯「は?」
美「好き。
だったんです。
先輩のこと・・・
っっでも!
私よりもっと先輩のこと
好きな子がいるんです!」
唯「そうなんだ・・・
泉口、俺すげー嬉しい
過去のことなのに
言ってくれてありがとな」
美「その子のことについては
言えないんですけど・・・
きょ、今日は汐梨のお見舞いでも
一緒にどうですか?
私、すごく心配で・・・」
*。・ 現在 ・。*
唯「ってさ・・・」
汐「美愛・・・
でも今も
好きなんじゃ・・・!」
美「そんなことない!
・・・汐梨、
2人で話そう?」
*。・ 美愛&汐梨 ・。*
美「汐梨・・・
正直に答えて。
小原先輩のこと
好きでしょ?」
汐「・・・(コクリ)」
美「そうだと思ったんだ。
汐梨はすぐ
自分の気持ち隠すから。
隠さなくていいんだよ?
親友でしょ?」
汐「美愛・・・(泣)
・・・言ったらみんなに
嫌われると思って・・・」
美「そんなことないよ。絶対。
私も小原先輩も。
ささ、このあとは
2人で話しなよ。
私は帰るからさ!
じゃあね!
GOOD LUCK!」
汐「みぃーあぁ!
ありがとう!!」
*。・ 汐梨&唯和 ・。*
汐「すみません!
先輩。
お待たせしまし・・・」
唯「汐梨!
お願いがある。
俺と駆け引きして欲しい」
汐「えっ?」
唯「次の試合、
それぞれ勝った方の
言うことを1つ聞く。
どうだ? 頼む。
・・・俺はこれで引退だからさ」
汐「わ、わかりました!
私頑張ります!」
唯「俺も。絶対勝つ」
美愛・・・
私絶対、試合勝って
先輩に付き合ってもらうよ!
*。・ 試合当日 ・。*
美「いよいよだね!
汐梨、
今日は特別
頑張らなきゃね!」
汐「うん。
絶対、絶対・・・」
唯「汐梨、
お互い頑張ろうな!」
汐「はいっ!」
*。・ 汐梨試合 ・。*
汐「やぁぁぁぁぁあー!
メぇぇぇーん!」
美「やったぁ!
汐梨勝った!!」
汐「美愛! 美愛!
私勝ったよ!」
美「うん! 観てたよ!
そうだ・・・
小原先輩が汐梨に
"体育館裏に来て欲しい"
って言ってたよ。
行ってきな!」
汐「わ、わかった。
私伝えて来る!」
*。・ 体育館裏 ・。*
汐「先輩!
お待たせしました!
私勝ちましたよ!」
唯「実は、
俺も勝った」
汐「えっ!」
私達はしばらく
沈黙が続いた。
汐&唯「あの!(同時)」
汐&唯「あははっ!
タイミングバッチリ!」
汐「わ、私のお願い
聞いてもらえますか??」
唯「ダメ。
俺が先。
先輩ですから(笑)」
汐「ええっ・・・(泣)」
唯「汐梨が好きだ。
俺と付き合ってほしい」
私は一瞬先輩が
何を言っているか
わからなくなった。
汐「も、もう1回!
もう1回!」
唯「う、うるせえ!
お前のお願いは
なんだよ!」
そんなの決まってる。
ずっと、ずっと前から。
汐「"私もです"って
先輩に伝えることです」
これが私の恋物語。
そして、今でも
この物語のページは
描かれ続けている。
‐fin‐