シュパッ。
ボールがネットを揺らす。
「ナイシュー」
ハイタッチの時に
2人の手が触れる。
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「危ない!!」
ハッと我に返って
ギリギリでボールを
キャッチした。
「どうしたの?
ぼーっとして」
「うーん」
少し前のことを
思い出してた。
小学校の頃から
一緒の部活の
私のずっと好きな人。
昔は仲良かったのに。
今では・・・
見つめることしか出来ない。
*。・ 数日後 ・。*
「ハイッ!」
クラブ対抗リレー。
毎年運動部の対決で
盛り上がる。
私はそれに
出ることになった。
そしてカケルも。
久しぶりに話して
昔のように戻った気がした。
「おい、遅いぞー!!」
「はぁ?
遅くないし!
失礼な!!」
「よし、じゃあ
賭けようぜ」
「??」
「本番抜いた人数が
多い方が勝ち!
負けた方は
勝った方の言うこと
ひとつ聞く!
どうだ?」
「負けないからね」
「のぞむところだ!」
*。・ 体育祭当日 ・。*
パン!!
1走者、2走者と
バトンが渡り、
3位で私にバトンが渡った。
でも、抜くことは
できなかった。
アンカーは、カケル・・・
「頑張れ!!」
賭けのことなんか忘れて
叫んでいた。
1人抜いて、
トップに追いついた。
ギリギリで抜いて
1位になった。
ゴール!!
走り終わったカケルは
私の方へ近づいてきて。
「言うこと聞けよ!」
「あ!!」
「今日からお前
俺の彼女な」
「・・・え!
ほんと・・・に?」
思わず抱きついていた。
「大好き」
「俺も」
*END*