*.*.*. 2学期中間テスト順位発表 *.*.*.
1位・・・秋田しおり 500点
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(よし!)
こんにちは。
秋田しおり、
高1です。
中間テスト、
第1位になれました!
あ「りんご、
おめでとう!
私は安定の10位。
移動しないんだよね・・・」
この子は心友で
私のお母さん的存在の
明日香。
可愛くてね、優しくてね、
落ち込んでると
すぐ気づいてくれるの。
し「移動しないのはさ、
明日香が勉強のレベルが上がっても
それにちゃんとついて行っていけてる
ってことじゃんか」
あ「ぬ~?
しおりはいっつも
1位なのに」
ほら、ぬ~? って
可愛いでしょ。
み「あ、しおり
おめでとう」
この子は私の相棒さんで
身体能力高すぎな美愛。
いっつも塩だけどね、
私のこと相棒とか
呼んでくれるし、
最近恋してて、
ちょー可愛いの!
し「美愛が褒めてくれた!」
み「うわ、失礼。
いつもは褒めてない
みたいじゃん」
し「だって
褒めてくんないじゃん」
み「私、褒めてるよ!
聞いてないだけじゃん。
ね、明日香」
あ「美愛は褒めてる、
しおりは美愛が褒めるたんびに
この反応してるよ」
し「だって。
明日香ママが言うことは
絶対なんだよ!」
み「明日香ママが言うなら・・・
っていうかやっぱ私
いつも褒めてたじゃん!」
し「だって1回1回が
嬉しすぎて」
3人でいつも一緒なの。
この2人とこんなふうに
喋るのがすごく好き。
あ「あ、チャイムなるかも。
帰ろ」
し・み「うん!」
席に戻ると、
ゆ「お前、
また1位だったな」
し「あ、ゆいと。
ありがとう」
こいつはゆいと。
高校に入ってまだずっと
席替えしてないから、
仲良くなった。
喋りやすいし、
楽しいやつだよ。
そして、密かに
好きだったりする。
今も、褒めてくれたの
嬉しすぎて、
顔そむけたくなる。
でも、お礼言わなきゃって
いつも焦って、
お礼を言う。
その後に続く
何気ない会話の中で
ゆいとが笑ったり、
髪を触ったり、
手で顔を隠したり。
そんなことをすると、
ドキドキが止まらない。
何気ない仕草が好きで。
大好きで。
でも、勇気でないから
言えないんだけどね。
私から告白してもいいけど、
やっぱり今のままが
1番楽で良いから。
このままがいちばん
安全だから。
ゆ「どうした?
ぼーっとして。
ちょーマヌケな顔してたぞ」
し「マヌケじゃないし。
頭はあんたより全然良いし!」
ゆ「足は俺より遅いけどな」
し「バスケは
あんたより強いし」
ゆ「サッカーは
俺より弱いけどな」
し「マット運動得意だし」
ゆ「鉄棒全然
できないじゃん」
し「空中前周り
できるようになったし」
ゆ「俺、空中前周りから
空中後ろ周り、
連続で出来るし」
し「ピアノ弾けないでしょ」
ゆ「それはお前が
習ってたからだろ」
し「だってゆいと
音痴・・・」
えづき先生「そこ、
うるさいよ~」
し・ゆ「すんません」
2人で怒られるのさえ
嬉しいと思ってしまう。
そんな2人の様子を見てた
明日香と美愛は微笑んでた。
*。・ ゆいとside ・。*
あ、怒られた。
しおりと、一緒だ。
なんだよ、
反省出来ねーじゃん。
しおりと、一緒って
だけなのに。
あー、
やっぱ好きだ。
*。・ 別の日 ・。*
か「ゆいとー!
おは!」
ゆ「オッスかいと」
こいつはかいと。
しおりといつも一緒にいる
泉口美愛のことが好き。
しょ「おーい!
ふたりとも!」
ゆ・か「お! おは!」
しょ「オッス!」
こいつは翔大郎。
こいつもまた、
しおりといつも一緒にいる
川床明日香に想いを寄せてる。
か「なー、
突然なんだけどさ」
ゆ「ん?」
しょ「なに?」
か「あの3人組と
デートしないか?」
しょ「グループデートってこと?」
か「ま、そんな感じ」
ゆ「いーじゃん。
3人で誘いに行こ」
*。・ 教室 ・。*
し・あ・み「デート?
みんなで?」
ゆ・しょ・か「あー、行かね?」
あ「いーじゃん。
楽しそう」
し「ね!」
み「どこ行くー?」
あ「新しくできた
ショッピングモール
行かない?」
し「あ、あそこ映画館も
あるらしいし、
男子も暇しないかも!」
み「じゃ、そこで映画見て
フードコートでお昼食べて、
思い出になんか買って帰る
っていうのは?」
あ「賛成」
し「じゃー、決まり!」
*。・ 当日 ・。*
しおりと明日香と美愛は、
しおりが3人のメイクを、
明日香が3人の服を、
美愛が3人のヘアアレンジをして
集合場所に向かった。
ゆ・しょ・か「オッス!」
し・あ・み「お待たせ!」
*。・ 男子side ・。*
いつもと違う。
あいつはこんな服が
好きなのかな。
いつもよりかわいい。
化粧、してるのかな。
いつも以上に好きだ。
今日、告白できるかな。
*。・ 女子side ・。*
変かな?
でも、2人が
やってくれたんだし、
だいじょぶだよね。
私服、
こんな感じなのか。
なんか、不思議。
今日、伝えられるかな。
*。・ 映画中 ・。*
明日香が感動で
泣いてる。
その明日香の手を
翔大郎が握った。
*。・ 映画後 ・。*
しょ「明日香、好きだ。
付き合ってくれないか」
止まってたはずの
明日香の涙が
また出てきた。
しょ「だいじょぶか!?
そんなに嫌だったか?」
あ「ううん、
今の嬉し泣きだよ。
翔大郎、よろしくね」
しょ「よっしゃ!」
*。・ 買い物中 ・。*
か「なー、美愛」
み「ん?」
か「俺と付き合ってくれないか?」
み「え・・・」
か「あ、ごめん。
困るよな。
今のなし」
み「無かったことにしないでよ。
私、嬉しかったのに」
か「付き合ってくれるのか?」
み「ん」
かいとが美愛の手を
握った。
*。・ 帰り道 ・。*
~ しおりside ~
明日香と翔大郎は
付き合った。
美愛とかいとも。
2人とも好きな人と
両思いだったんだ。
私だけ。
私だけ、違う。
もう、私の家
すぐそこなのに。
ゆいとは送ってくれたけど、
何も喋らずに無言だった。
ゆ「あのさ、今日
お前にあって確信したんだ。
俺は、頭が良くて、
でも別にガリ勉なわけじゃなくて。
友達思いで、よく笑って。
そんなしおりが大好きだ。
付き合ってくれませんか?」
し「こんな私でいいの?
私、ゆいとが言ってくれたみたいな
いい人じゃない。
勉強だってゆいとに
気づいてもらいたくて、
必死で勉強して1位なだけだよ」
ゆ「俺のこと好きだったのか?」
し「今でも、大好きだよ」
ゆいとがしおりを
抱きしめる。
それを道の角から
見てた4人組は。
あ「天才と天災。
いいコンビじゃん」
み「しおり、
幸せになってね」
しょ・か「お前らには
俺らがいるだろ」
あ・み「照れるね」
し「ゆいと、改めて。
大好きです」
私にとって最高の
思い出になりました。
*end*