こんにちは、
俺は雨宮かける。
陸上部に入っています。
1番速いエースです。
そして、
こんにちは、
小林かなみです。
陸上部に所属していて
実は、エースなんです!
俺と、かなみは
毎日ハードな
練習をしていた。
かける「かなみ、
今日も俺が勝つから!」
かなみ「私だって!」
まほ「かなみは、雨宮君と
仲良くていいなー」
若林真帆は、
私の親友。
*。・ 放課後 ・。*
かける「かなみ!
今日も、練習すっか?」
かなみ「するに決まってるでしょ!」
こうやって、放課後は
2人で練習しています。
かける「かなみ! 遅いぞ!!
もっとしっかり!」
かなみ「うん!」
でも、急に。
かなみ「かける、ごめん。
私、帰る!」
かける「まだ、途中だぞ!
どうした?」
かなみ「ごめん。じゃあね」
かける「おい、待てよ!」
手を引っ張る。
かなみ「よっ、用事なの!」
こんな時間に用事なんて
あるわけない。
なんだかいつもと違った。
*。・ 次の日 教室 ・。*
かける「かなみ! ようっ!」
かなみ「おはよ、かける」
かける「なんか、元気ないな。
どうした?」
かなみ「ううん!
なんでもないよ!
気にしないで!」
絶対、何かある。
そう思ったが
聞かなかった。
先生「陸上部は、
もうすぐ大会ですね!
頑張ってください!」
クラスのみんなが
「かけるファイト!」って
言ってくれるなか
俺は、かなみを見た。
下を見てなんだか
悲しそうだった。
まほ「かなみ!
頑張ってね」
かなみ「うん」
無理に笑うかなみは、
好きではない。
*。・ 部活 ・。*
かける「かなみ?」
かなみ「・・・」
かける「かなみ!」
かなみ「あっあ! かけるか!
どーしたの?」
かける「こっちが聞きたいよ。
どうかしたの?」
かなみ「えっ? ううん」
*。・ 練習中 ・。*
かなみ「はぁ、はぁ」
かける「おい、大丈夫かよ?
休め!」
かなみ「大丈夫だよ!」
まほ「エースの
かなみにしては
おかしいなー」
部員「かなみ先輩
エースなのに全然だね」
かける「お前ら、
なんか言ったか?」
*。・ 放課後 ・。*
かける「かなみ! れん」
まほ「かなみなら、
帰ったよー」
かける「えっ?
まほ、ほんとに?」
まほ「うん、帰るってー」
・LINE・
かける《かなみ!
どこにいんだ?》
かなみ《家だよー》
かける《家だよー
じゃないんだよ!
毎日練習サボンなんて
かなみらしくない。
何かあったんだろ?》
かなみ《ないって!》
かける《もうすぐ、大会だぞ?
勝てんの?》
かなみは、既読したが
返信しなかった。
*。・ 数日後 部活 ・。*
かなみ「痛い! 痛いよー泣」
部員みんなが
かなみを見る。
かける「大丈夫か?
かなみ!!」
まほ「かなみ!??」
部員みんな「先輩!
大丈夫ですか??」
かなみ「足が、」
かける「病院いこ!」
かなみ「ダメ!
行かないで!」
かける「えっ?」
まほ「行かないと!」
かなみ「ダメって、」
バタン
倒れた。
かける「かなみーーーーーーーー!!!!」
*。・ 病院 ・。*
かなみ「こっ、ここは?」
かける「病院だよ」
かなみ「えっ? なんで!
どうして?
ダメって言ったのに!!」
病院の先生「小林さん、
いくらなんでも
ダメですよ」
かける「えっ」
かなみ「かける、私ね。
一度病院に来たの」
その時。
かなみ「先生!
大会には
出られますよね?」
先生「今のところはね。
ねんざで良かったよ。
でもねんざは治っていない!
しばらく休みなさい」
かなみ「そんなことは出来ません!
エースなのに。
そして、最後の大会なんです!」
先生「無理をすると、
悪化してしまいます。
無理はいけません!
治るまで待ちましょう」
・・・・・・・・・・・
・・・・
かなみ「それで、
私は待たなかった」
かける「どうして??」
かなみ「練習に参加しないなんて
とても出来なかった。
かけるが、
『かなみ! やるぞ!』
なんて言うから! 嬉しくて」
かける「かなみ、
知らなくてごめん!
気づかなくて!」
先生「小林さん。
大会には出られませんが
足は折れてはいません」
かなみ「はい」
*。・ 帰り道 ・。*
かける「足、痛い?」
かなみ「うん、ちょっとね!」
かける「おぶってやる!」
かなみ「えっ!? いいよ!
そんな! わっ!」
かける「楽だろ?」
かなみ「うん、ありがと」
かなみ「出たかったなー大会。
1度叶えたかった、優勝。
エースなのに、準優勝しか
とったことなかった」
かける「かなみ!
お前は、充分頑張ったよ!
2人で頑張ったろ?」
かなみ「そうだね! かける!
優勝してね!」
かける「おう! 俺からも
1つお願い言っていい?」
かなみ「いいよ!」
かける「優勝したら、
俺と付き合って!」
かなみ「わっ、私と??」
かける「うん!」
かなみ「いいけど、
負けないでよ!!」
かける「おう!」
*。・ 大会当日 ・。*
俺は、いい走りをした!
みごと優勝!!
「優勝は、
雨宮かけるさんです!」
まほ「やったね! かなみ!」
かなみ「うん!
おめでとう! かける!!!」
かける「かなみ!
俺と、付き合ってください!!」
みんなの前で
言うもんだから
緊張した。
かなみ「はい!
よろしくお願いします!」
まほ「やったじゃん!」
かなみ「かける!
私、まだ諦めない。
陸上は続ける!」
かける「俺も!
いつか、2人で
優勝しようぜ!」
かなみ「うん!
どこまでも走り続けよう!」
かける「2人で」
*end*